今書いている詩(1)「すくう」

今書いている詩(1) 「すくう」

 


    「すくう」

 


 池の辺に立った弥陀は

 水を漉くってハスに注いだ

 後ろの観音に

 「私には誓願があるよ」と囁く

 観音は微笑んで頷く

 池の其処此処で

 ハスの花がポンと

 音を発てて咲いた

 


 たろうくんは池の氷を

 小さな手で割って顔を洗う

 寒い日も暑い日も

 前に住む神主の一家は

 たろうくんが足を踏み外さないように

 いつも見守っているが

 気が気でない

 


 両手で水を漉くってごらん

 零れるよね

 頬に手を当てごらん

 潤うよ

 あなたには潤いが

 必要だが

 求め過ぎてもいけないよ

 

 大雨が降ると

 池の水は溢れて

 せせらぎとなって

 村を通り川に注ぐ

 池の魚も川に辿り着く

 

 たろうくんは大人になって

 池は慈根寺という古刹の跡で

 本尊が阿弥陀如来であると知る

 

 赤子は場所と父母を

 選んで生まれるという

 あなたと太郎君の

 知りたいその答えは

 智慧の壺の中ですよ

 


(確か9年前に書いた詩ですネェ⁉️巡り巡って元の様な詩を書いています❣️書かされて居るのだと今は、確信を持っていますヨォ‼️)

当時は、画像を添えていませんのでお借りしました。Yahooブログに投稿をしていましたが、今年限りで終わりですネェ。寂しいですヨォ‼️f:id:seibei414:20191014223100j:image